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子どものお口ぽかんはなぜ起こる?口唇閉鎖不全の原因と改善方法

テレビを見ているお子さまの口が、いつもぽかんと開いている。声をかけると閉じるものの、しばらくするとまた開いてしまう。そんな様子が気になっていませんか。歯並びへの影響や、受診のタイミングに迷う保護者の方もいらっしゃると思います。

お口ぽかんは、単なる気の緩みとは限りません。鼻の通りにくさ、舌や唇の使い方、歯並びや顎の形などが関係している場合があります。改善の第一歩は、口が開いていることを注意するより、閉じにくい理由を確かめることです。

今回は名古屋市東区のササキ歯科・ササキ矯正歯科が、お口ぽかんと前歯の着色・口臭・歯並びとの関係、ご家庭で気をつけたいこと、MFTや矯正治療を検討する目安を解説します。

お口ぽかんとは?口唇閉鎖不全のサイン

食事や会話をしていないときにも唇が開き、自然に閉じた状態を保ちにくいことを「口唇閉鎖不全」といいます。日常では「お口ぽかん」「ポカン口」と呼ばれています。口を開けて息をする口呼吸と一緒に見られることがありますが、唇が開いていることと呼吸の通り道は、同じ意味ではありません。

唇だけでなく、顎や呼吸の様子も見てみましょう

普段から上の前歯が見える、下唇が外側へめくれて内側の粘膜が見える、閉じようとすると顎先にしわが寄る。こうした様子は、唇を閉じるときに余分な力を使っているサインの一つです。ただし、唇の厚みや顔立ちには個人差があり、見た目だけで異常と判断するものではありません。

唇がぽかんと開いている子どものイラスト
何もしていないときの唇の状態が、気づきのきっかけになります。

風邪のときや運動直後は、一時的に口が開くこともあります。一度の様子で決めつけず、普段から繰り返すか、鼻づまりや乾燥も伴うかを見てください。

「閉じられる」と「楽に閉じていられる」は違います

写真のときだけ閉じられても、普段は唇を合わせにくいお子さまもいます。歯を噛みしめたり、下唇を強く持ち上げたりしていないか確認しましょう。目指すのは、鼻から楽に呼吸しながら無理なく唇を閉じられる状態です。

口が閉じにくいのはなぜ?3つの主な原因

原因が複数重なることもあるため、筋力だけの問題と決めつけずに確認します。

① 鼻づまりや、鼻・喉の空気の通りにくさ

アレルギー性鼻炎などで鼻が詰まっていると、息をしやすくするために口を開けることがあります。お子さまでは、鼻の奥にあるアデノイドや、喉の左右にある扁桃が大きくなり、呼吸に影響している場合もあります。

この状態で「口を閉じて」と繰り返すと、呼吸が苦しくなることがあります。鼻づまりが続く、いつも鼻声、大きないびきをかくといった様子があれば、耳鼻咽喉科などで確認しましょう。特に睡眠中に息が止まる、苦しそうに呼吸する場合は、口元の練習を始める前に医療機関へ相談してください。

② 舌・唇の位置や動かし方の癖

鼻で呼吸できても、唇を閉じる動きや舌の置き方が習慣として身についていないことがあります。舌が低い位置にある、飲み込むときに前へ出る、下唇を前歯で噛むなどの癖も、お口全体の使い方を確認する手がかりです。

鼻づまりが改善した後も、口を開ける習慣が残ることがあります。その場合は呼吸の状態を確かめたうえで、舌や唇の使い方を練習します。回数を増やして筋肉を鍛えるだけでなく、普段どこに舌を置き、どう唇を閉じているかに気づくことが大切です。

③ 出っ歯・開咬や、顎と唇の形の関係

上の前歯が前へ出ている「上顎前突」などでは、歯の位置によって唇を合わせにくくなることがあります。奥歯を噛んでも前歯に隙間が残る「開咬」も、舌の癖や口元の状態とあわせて確認したい歯並びです。

歯並びや骨格が関係する場合、閉じる練習だけでは十分な変化が得られないことがあります。一方、お口ぽかんだから必ず矯正治療が必要というわけでもありません。唇・歯・顎の位置関係を診察し、何を整える必要があるのかを見極めます。

前歯の着色・口臭と、お口ぽかんの関係

口が開いて口呼吸が続くと、歯や歯茎の表面が乾燥しやすくなります。唾液には、汚れを洗い流し、酸を中和し、歯の表面の再石灰化を助ける働きがあります。乾燥が続いてこれらの働きが十分に届きにくくなると、お口の環境にも影響します。

前歯の色の変化は、診察で原因を確認します

上の前歯の先端から中央付近にかけて、唇の境目に沿うように着色が見られることがあります。乾燥や汚れの付着、お口ぽかんの有無を確認する手がかりになりますが、着色の位置だけで「口呼吸をしている」と診断することはできません。飲食物の色素、歯垢、歯の表面の性質など、別の要因も考えられます。

前歯の表面に色の変化が見られる口腔内写真
前歯の色の変化は、汚れや歯の表面の状態を含めて確認します。写真だけで原因は判断できません。

歯磨きで落ちない着色は、強くこすり続けず歯科医院で確認しましょう。必要に応じてクリーニングを行い、繰り返す背景や日々のケアも見直します。

口臭・虫歯・歯肉炎などの歯周病にも目を向ける

乾燥によって口臭が気になったり、唾液の保護作用が働きにくくなって虫歯のリスクが高まったりすることがあります。歯肉炎などの歯周病にも注意が必要です。歯垢や歯石、磨き残しも関係するため、口を閉じる練習とあわせて歯と歯茎のケアを続けましょう。

仕上げ磨きの際に、汚れや歯茎の赤みも確認してみてください。口臭が繰り返す場合は、乾燥や鼻づまりの様子もお知らせください。

喉の痛みや扁桃の腫れは、別の原因も確認します

口呼吸で喉が乾燥すると、朝の違和感や痛みにつながることがあります。ただし、扁桃炎は感染などでも起こり、口呼吸だけが原因とはいえません。反対に、扁桃やアデノイドの肥大が、呼吸しにくさの背景になっている場合もあります。

喉の痛みや違和感を示すイラスト

発熱、強い喉の痛み、飲み込みづらさがあるときは、体操で様子を見ず耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。「口を閉じれば喉の問題も治る」と考えず、症状に合った診療を受けることが大切です。

改善方法は?MFTと矯正治療の役割

お口ぽかんの改善では、鼻の通り、舌や唇の働き、歯並びを分けて確認します。鼻づまりへの対応が必要な方もいれば、歯科でのトレーニングや矯正治療を検討する方もいます。

MFTは、舌や唇の使い方を整える練習です

MFT(口腔筋機能療法)は、舌・唇・頬などの位置や動かし方を整えるためのトレーニングです。唇を軽く閉じる、舌先を適切な場所に置く、舌を前に突き出す飲み込み方を見直すなど、診察で見つかった課題に合わせて進めます。

舌先の位置は、上の前歯のすぐ後ろにある上顎のふくらみ付近を目安にします。前歯を押し続ける位置ではありません。舌を持ち上げにくい、唇を閉じると顎に力が入るなどの場合は、形を無理にまねる前に歯科医師へ伝えましょう。

練習した動きが普段の習慣になるよう、歯科医院で確認しながら続けます。効果や必要な期間には個人差があり、一つの体操で誰でも改善するわけではありません。

歯並びが閉じにくさに関係する場合は矯正を検討します

前歯の突出や上下の顎の位置関係によって唇を合わせにくい場合は、矯正治療で歯の位置や噛み合わせを整えることを検討します。歯の内側からは舌、外側からは唇や頬の力がかかっているため、歯並びとお口の使い方を一緒に考えることが大切です。

口呼吸や舌の癖と歯並びには関連がみられますが、歯並びは骨格や歯の大きさなど複数の要因で決まります。「口呼吸をすれば必ず出っ歯になる」「口を閉じれば歯並びが治る」とは言い切れません。

POINT

MFTと矯正治療は、目的が異なります。お口の使い方を練習するだけでは、歯の位置や骨格の問題まで解決できないことがあります。装置とトレーニングを組み合わせるかどうかも、検査・診断に基づいて判断します。

歯の生え替わりと成長に合わせて、治療時期を考えます

お子さまでは、歯の生え替わりや顎の成長、練習への理解度を見ながら治療時期を考えます。相談した日に装置を使い始めるとは限らず、経過を見守る場合もあります。永久歯がすべて生えそろう前でも、閉じにくさが気になればご相談ください。

お子さまに合う練習と、ご家庭で支える方法を一緒に考えます。

おうちでできることと、練習するときの注意点

練習の前提は、鼻から苦しくなく呼吸できることです。鼻づまりがある場合は耳鼻咽喉科などで原因を確認し、鼻呼吸が楽にできるようになってから取り組みます。鼻が通っていても、お子さまの年齢や動きに合わせて方法を選びましょう。

鼻呼吸テープ|使用前に鼻の通りと適応を確認します

鼻呼吸テープは、唇を閉じた状態を保ち、鼻で呼吸するきっかけをつくる目的で使われる道具です。「口閉じテープ」などの名称で販売されています。ただし、貼れば口呼吸の原因が解決するわけではありません。

鼻づまりや睡眠中の呼吸の問題があると、口を閉じることで息苦しくなるおそれがあります。使用の可否や方法は歯科医師・医師に確認し、お子さまに自己判断で貼って寝かせないでください。起きているときに使えたからといって、睡眠中も安全とは限りません。

ガーグルストップ|うがいを利用して鼻呼吸を意識します

ガーグルストップは、ガラガラうがいの途中で動きを止め、鼻から呼吸する感覚を確かめる練習です。水を使うため、うがいが十分にできないお子さまや、むせやすいお子さまには向きません。歯科医院で実際の動きを確認し、指導を受けてから取り組みましょう。

上を向いたまま長く水をためる、苦しくても我慢するなどの自己流の練習は避けてください。咳き込む、むせる、息苦しくなるときは中止します。水を使う方法が合わない場合は、別の練習を相談できます。

鼻歌|好きな曲で鼻から息が抜ける感覚をつかむ

唇を軽く閉じて鼻歌を歌うことは、鼻から息が抜ける感覚に気づくきっかけになります。好きな曲を選び、まずは短い一節から親子で楽しんでみましょう。毎日の生活に取り入れやすく、道具も必要ありません。

一曲歌い切ることや、長く息を続けることを目標にする必要はありません。鼻づまりや息苦しさがある日は休みます。鼻歌は鼻づまりそのものを治す治療ではなく、上手に歌えるかどうかで病気の有無を判断するものでもありません。

POINT

大切なのは、口をふさいで我慢することではなく、鼻から楽に呼吸できることです。道具や水を使う方法は自己流で始めず、お子さまに合う練習を確認しましょう。

親子で取り組み、できたことを認めてあげましょう

鏡の前で肩と顎の力を抜き、上下の歯を噛みしめずに唇をそっと合わせてみます。顎先に強いしわが寄らないか、息苦しくないかを短時間確認し、痛みや疲れが出たら中止してください。

何度も「口を閉じなさい」と注意するより、「今は鼻で楽に息ができるかな」と一緒に確かめてみましょう。できたことを認め、見た目をからかったり人前で指摘したりしない配慮も大切です。

ご家庭で続けるためのポイント

  • 歯磨き後など、短時間取り組めるタイミングを決める
  • 回数や負荷は歯科医院で確認した内容に合わせる
  • 疲れている日や鼻が詰まる日は無理をしない
  • できない動きは写真やメモで伝え、方法を相談する

お口の乾燥が気になるときは水分補給と丁寧な歯磨きも続けます。甘い飲み物を長時間少しずつ飲む習慣は避け、年齢に合ったフッ化物配合歯磨剤の使い方も確認しましょう。

お子さまのお口ぽかん|歯科で相談したいサイン

お口ぽかんは、お子さま自身が気づいていないこともあります。痛みがなくても、気になる段階で確認すると必要な対応を整理しやすくなります。

受診時には「いつ・どんなときに」を伝えてください

こんな様子があればご相談ください

  • 普段から口が開き、軽く閉じることが難しい
  • 閉じようとすると顎や口元に強い力が入る
  • 前歯の着色、口の乾燥、口臭が繰り返し気になる
  • 出っ歯や前歯の隙間、噛み切りにくさがある
  • 飲み込むときに舌が前へ出る、唇を噛む癖がある

「日中だけか、寝ているときもか」「風邪のときだけか、季節に関係なく続くか」といった情報が役立ちます。鼻炎の治療歴、服用中の薬、指しゃぶりや唇を噛む癖などもお知らせください。項目に当てはまる数だけで治療の必要性は判断できません。

鼻や睡眠の問題は、耳鼻咽喉科などと分けて考えます

歯科では歯並び、噛み合わせ、唇や舌の動き、歯と歯茎の状態を確認します。一方、鼻づまりや扁桃・アデノイド、睡眠中の呼吸の問題には、耳鼻咽喉科などでの評価が必要です。どちらか一方の治療ですべてが解決するとは限りません。

当院では、歯並びとお口の働きを確認します

ササキ歯科・ササキ矯正歯科は、一般歯科と矯正歯科を併設しています。小児矯正では、成長やお口の状態に合わせて矯正装置とMFTを取り入れています。前歯の着色や虫歯・歯茎の問題と、歯並びや口元の悩みを一緒にご相談いただけます。

矯正治療を検討する場合は、必要な検査で歯や顎の位置関係を確認し、治療方法や期間、費用をご案内します。矯正治療には歯の移動に伴う痛み、虫歯や歯茎のトラブル、歯根吸収、後戻りなどのリスクがあり、通院や装置の管理も必要です。

治療内容・費用・流れは、子どもの矯正のページでもご案内しています。

お口ぽかんについてよくある質問

Q. 子どものお口ぽかんは、成長すれば自然に治りますか?

成長や一時的な鼻づまりの改善に伴って変わることはありますが、自然に治るとは限りません。普段から続いている、口を閉じるのがつらそう、歯並びも気になる場合は、一度原因を確認しましょう。相談の時期を永久歯が生えそろうまで待つ必要はありません。

Q. 子どもが練習を嫌がるときは、どうすればよいですか?

無理に続けず、息苦しさや痛みがないか、動きが難しくないかを確かめてください。短い時間から親子で取り組む方法や、練習内容の調整を歯科医院へ相談しましょう。できなかったことを責めるより、できた動きを一緒に確認することが大切です。

Q. 前歯に着色があると、お口ぽかんということですか?

着色だけでは判断できません。飲食物の色素や汚れ、歯の表面の状態なども確認します。歯磨きで取れない色の変化がある場合は、強くこする前に歯科医院へご相談ください。呼吸や唇の状態もあわせて確認します。

Q. トレーニングだけで出っ歯も改善できますか?

トレーニングだけで歯の位置や骨格の問題を改善できるとは限りません。MFTは舌や唇の使い方を整える方法で、歯を動かす矯正治療とは役割が違います。検査・診断のうえで、必要な治療と練習を組み合わせます。

まとめ|口を閉じにくい理由から確かめましょう

お口ぽかんの背景には、鼻づまり、舌や唇の使い方、歯並びなどがあります。前歯の着色や口臭が気になる場合も、一つの原因に決めつけず、お口全体の状態を確認することが大切です。

「閉じなさい」と頑張らせる前に、無理なく閉じられる状態かを確かめましょう。お子さまの口元の力みや、出っ歯・噛み合わせに関する悩みもご相談いただけます。

ササキ歯科・ササキ矯正歯科は、久屋大通駅セントラルパーク1A出口すぐです。ご予約の際に「口が開いていることが多い」「唇を閉じにくい」など、気になることをお知らせください。

お子さまのお口ぽかん・歯並びが気になる保護者の方へ

ご相談・ご予約はこちら

矯正歯科:052-961-0033 / 一般・小児歯科:052-684-7887
※トレーニングや治療の適応は診察で判断します。アイキャッチ画像はイメージです。

医院・歯科医師紹介

ササキ歯科・ササキ矯正歯科では、患者さまのお話を伺い、現在のお口の状態を確認したうえで治療や予防の方法をご説明しています。

ササキ歯科・ササキ矯正歯科 院長 佐々木智章

院長・歯科医師

佐々木 智章

歯科医師一般歯科補綴治療インプラント治療

一般歯科と矯正歯科を併設し、お口の状態に合わせた診療を行っています。歯並びや噛み合わせだけでなく、毎日の食べにくさなどもご相談ください。

略歴

2010年
愛知学院大学歯学部卒業
2011年
愛知学院大学臨床研修医
2012年
アップルデンタルクリニック勤務医
2014年
ササキ矯正デンタルオフィス勤務

資格・所属学会・セミナー

  • 歯科医師
  • 愛知県歯科医師会
  • 名古屋市東区歯科医師会
  • MDIベーシックコース/MDIインプラントコース
  • ストローマンインプラントコース
  • CAD/CAM Curving & Polishing/CAD/CAM Preparation & Training
  • アストラテックインプラントシステムベーシックコース
  • 顎咬合学会/LCDCベーシックコース
ササキ歯科・ササキ矯正歯科 副院長・矯正歯科医 佐々木美枝
副院長・矯正歯科医
佐々木 美枝

副院長・矯正歯科医

佐々木 美枝

日本矯正歯科学会認定医歯学博士

自身も子供のころに矯正治療を受けた経験があり、子供の頃の治療の大切さや矯正治療中のお悩みなど、患者様の気持ちに寄り添った治療を大切にしています。

略歴

2012年
朝日大学歯学部卒業
2017年
朝日大学大学院歯科矯正学講座卒業
2017年
朝日大学医科歯科医療センター ポストドクター
2022年
ササキ歯科ササキ矯正歯科 常勤医師

資格・所属学会

  • 歯学博士
  • 日本矯正歯科学会認定医
  • 日本矯正歯科学会
  • 近畿東海矯正歯科学会